【目からウロコ!】世界的に活躍する女性クリエイター3人に聞いてみた。「海外で仕事を生み出すには?」

昨日、都立大学にある面白い書店、ニジノ絵本屋さんにて行われた、とっっっっても興味深いトークイベントに参加してきました! 題して「アートと絵本 – 芸術に国境はない2020-」!!

登壇者は、世界的に活躍するクリエイターの方々3人。それぞれ実にユニークな経歴をお持ちで、非常に多彩でクリエイティブ!

いま私が一番関心のある「どのようにして、海外を拠点として仕事をするに至ったか?」について、色々とお話を伺いました。

国境を飛び越えて活躍する方々のリアルなエネルギーに触れることができて、未だに興奮冷めやらず……!!!!!

色々とぶっ飛んでいて目からウロコの連続だったのですが(笑)、特に印象に残ったお話をシェアしたいと思います!

世界的に活躍する女性アーティストに聞く、海外で仕事を生み出す秘訣!

(右から、ハワイのモロカイ島など世界各地を拠点として活動されている、絵本作家でアーティストの寺石マナさん、パリと岡山を拠点に活動されているテキスタイルアーティストのミヤケノリコさん、一番左が「ニジノ絵本屋」代表であり、イタリアのボローニャやミラノでも事業を展開されているいしいあやさん。)

3人のユニークな経歴!

今回、トークイベントに登壇された3人のプロフィールを抜粋。一行一行が濃すぎる!!w

寺石マナ プロフィール

1982年、東京生まれ。絵本作家・アーティスト。創作のため、2006年に南米アマゾンの森に引っ越し、木と葉っぱで家を建て動物と暮らした後に「OHISAMA BOOK」を執筆。本を自然素材の紙のみで製本することを表現の一環とし、ブックレーベル「NONKI BOOKS」を設立。2019年には「The Bowl of Light」を出版。現在は、東京で花を育てながら暮らす。旅エッセイなど、雑誌に多数連載。

ミヤケノリコ プロフィール

テキスタイルアーティスト。岡山とパリを拠点に活動。
「ジェンダーの平等性」「生と性」「ART を着る」をテーマに、少女漫画風の女の子または女の子のキラキラ大きな瞳、性器や臓器、動植物をモチーフにしたソフトスカラプチャー、ペインティング、コスチュームの集積で空間を埋め尽くすインスタレーション作品を制作。岡山県とパリの芸術交流事業「美咲芸術世界」のプロジェクトのメンバーとして、2018年よりパリに渡る。2019年はパリ中心地にある現代アート施設「59Rivoli」で、レジデンスアーティストとして滞在制作&展示をし、2020年5月より再び同ギャラリーのレジデンスアーティストとして渡仏予定。

いしいあや プロフィール

絵本専門店「ニジノ絵本屋」(東京都目黒区)代表。2011年「ニジノ絵本屋」オープン。2012年より出版事業をはじめる。ニジノ絵本屋レーベルをはじめとする絵本の企画編集を行うほか、ニジノ絵本屋キャラバンとして「絵本×音楽」「絵本×食」など絵本にまつわるLIVEパフォーマンスおよびワークショップなどのイベント全般を国内外で開催している。あらゆるジャンルとのコラボレーションを模索しながら「絵本」でつながるヒト・モノ・コトで楽しい時間をみんなで共有することを理念に活動している。

さてここからは、私の印象的だった話を思い出せるままに書いていきます!

海外に飛び出したきっかけは、衝動と直感!?

まず最初に、3人それぞれが海外に飛び出したきっかけをお話いただきました。

でも、そのきっかけってあってないようなものだな! というのが率直な感想(笑)。

彼女達は「ここに行ってみたい!」という衝動がまず先にあり、それを素直に行動に移した、というように私には思えました。

(理由とか動機とか、こういう縁や流れがあったとか、もちろんあるのですが)

考えすぎて動けなくなることが多かった私にとっては、すぐ行動に移せる人がまぶしくて仕方がない!

行きたい、だから行く! 

ノリと勢い! 

それだけで十分なのだと感じました。

「どうにかなる」と信じているから、本当にそうなる!?

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(ノリコさんワールド全開の展示! 15日まで都内で開催しているそう)

私が不思議に思ったのは、どうしてそんなに何の準備もなく海外に行けたの? ということ。

ノリコさんなんて、ボンジュールとメルシーしか知らないような状態で、フランスに渡ったそうです。度胸ありすぎ!

彼女達に共通するものは、怖いもの知らずな性格と、根拠なき自信(褒めてます!w)。

まあ、どうにかなるでしょ! と心から信じているから、本当にその通りになる。

「自分自身に対する無条件の信頼」というエネルギーが、そのまま現実化しているのだと思います。

どちらにしろ根拠などないのだから、心配するのも、信頼するのも安心するのも、自分次第。

だったら、自分にとってプラスになる方を信じた方がいいに決まっている!

彼女達にはきっとそのことが、感覚レベルで染み込んでいるのかも。

自分の素質を活かせる場所がある

(ノリコさんのカラフルでポップな作品たち。)

ヨーロッパでは全体的に、アートの占める地位が、日本よりも格段に上だそうです。

作品を目にしたときの反応も、アートに対する興味関心も、全然違うのだとか! それが、売れ行きにも如実に反映されるそう。特にパリでは、作品に高額な値段をつけても、買ってくれる人がちゃんと一定数いるのだそうです。

確かに! 私も昨年初めてパリに行きましたが、美術館の数がハンパではなく、その他の建築やインテリアなどにもアートの要素はそこここに感じられました。ベルリンも、また違った形ではありますが、アートが色濃く街に根付いていました。

アーティストとして活躍したいという目標があるなら、まずはアートに造詣が深い人達の住むエリアで制作活動をしてみる、というのは有効だそう!

海外である程度有名になり、そこから日本のメディア等に取り上げられて日本でも仕事ができるようになる、といういわば「逆輸入パターン」の方も結構いるとか。

私は「語学ができないと、海外で仕事するのは難しいのでは?」と思ったのですが、実際フランスではフランス人よりも移民の方の数が多く、片言のフランス語と英語でもやっていけるそうです。

実際に行ってしまえば、案外どうにかなるものなのかもしれないですね。

本気でやるから、周りの人に応援される!

国内海外問わずさまざまなイベントやワークショップを開催されているいしいあやさんは、行く先々で色々な人が、色々な形で手助けしてくれるとか。

そんな仕事のスタイルゆえ「いつも、周りの人を巻き込み過ぎ!」と言われてしまうことも少なくないそうですが(笑)、その姿勢って仕事をする上で理想的だなと思いました。一人でできることって、限界があるので……。

きっとやりたいことに本気でコミットしているから、見ている人も自然と応援したくなるんだと思う!

資金が足りなくて、出張先の本屋の床にダンボールと寝袋を敷いて寝たりしたこともあるとか。でも、それさえもウキウキ楽しそうに話すあやさん!w

情熱が溢れていていつもワクワクしている人を、周りが放っておくはずがありません。むしろ「楽しそう! 巻き込まれたい、一緒に何かやりたい!」と思ってしまうのでは?

あやさんは「私は、どんな場所でも、どんな人とでも仕事ができる!」と仰っていてすごいな〜と思ったのですが、それは自分というものがしっかり確立しているからこそだな、と感じました。

そこの軸が揺らがないから、どんな人とでも面白いコラボレーションが生まれるんだと思う!

好きなことよりも、好きな人と。

(「ニジノ絵本屋」店主のあやさんがイタリアのボローニャで買い付けてきたという、カラフルな仕掛け絵本。)

あやさん曰く、「結局自分を奮い立たせてくれるのは、物事よりも、なんだかんだ人だよね!」と。

好きなことを仕事にする、というのは一見良さそうなことばかりに見えて、うまくいかないと心が折れたり、挫折したりもしやすい。

好きなことだけに、仕事との折り合いがつけにくいこともある。

でも、自分の大切な人や好きな人と一緒に何かしたり、その先に誰か喜んでくれる人がいたりすると、多少大変なことがあってもモチベーションが湧いてくる、と。

自分自身を振り返っても、確かにそうかも。

▼あやさんのご著書。


 

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今回の会場でもあった「ニジノ絵本屋」さんは、なんと2011年から2016年まで約6年間、1.5坪の小さいお店だったのだとか!

その頃の苦労話や裏側、ボローニャでのお話なども、本には余すところなく書かれているそうです。

もうすぐ韓国語版も出版予定だそう!

やりたいからやる、ただそれだけ。

(マナさんの育てたエディブルフラワーの押し花と、出版された絵本(右上)、左上は縁のあるアーティストさんの作品)

私の周りでも、楽しそうに軽々と成果を出す人は、「仕事」と「趣味や遊び」との境界線が曖昧な人が多い。それがイコールだったりもする。

彼女達を見ていたら、その両者を分けること自体がそもそもナンセンスだということが、腑に落ちた。

ただやりたいから、やる。この上なくシンプル!

それが結果的に、人に面白がられたり、思いもよらない仕事になったりするとか。

実際、マナさんも「ただ好きで追求していたことが、気付けば仕事に繋がっていた」ということが結構あったそう。

これぞ、本来の仕事の仕方だと思った!

人は、つい最近までテレパシーで会話していた!?

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(マナさんのエディブルフラワー・ガーデン。美しい)

南米のアマゾンやハワイの島々など、世界各地の原住民に会いに行き、かなりディープな旅をされてきたマナさん。

そのお話で一番興味深かったのが、「人は最近まで、言葉を介さずにテレパシーで会話をしていたんだよ」というお話!

どこかの部族の長老から、そのことを聞いてびっくりしたのだそうですが。

彼のところに出版したばかりの本を持って行ったところ、そこに至るまでの途方も無い軌跡や大変だったことなど、すべてを理解しているような眼差しで見つめられて、なんとも言えない不思議な安心感に包まれたのだとか……。

確かに、言葉が生まれる前の時代は、人も言葉に頼ることなくお互いにコミュニケーションをとっていたはず。

それをきっと、今の人はテレパシーと呼ぶのでしょう。

国や言葉が違っても、やっぱり同じ人と人同士だから、深いところで必ず分かり合える」とマナさんは仰っていましたが、彼女の辿ってきた旅路を思うと、説得力がすごかったです。

海外を、女ひとりで渡り歩くための処世術

(マナさんの育てる可愛らしいエディブルフラワーを、お土産にいただいた! 今朝摘んだばかりだそう)

トークイベント終了後、マナさんとノリコさんから、旅のお話を色々聞かせていただくことができました。

そこで目からウロコだったのが「日本人はどうしても幼く見られたり、舐められたりしやすいけど、私はそれを逆手に取って利用している!」というノリコさんのお話!

日本人は欧米の方に比べて小柄だし童顔なので、下に見られやすいというのはよく聞くし、私も実感があります。

アーティスト・イン・レジデンスという、アーティストのための作品制作の場が世界各地にあり、ノリコさんはしばらくその場所(彼女の場合はパリ)を基盤として活動されていたのだそう。

実際にそこでは、自分よりも若い人から「ねえ、あれ取って!」と上から目線で指図されたりしたとか(笑)。そこはあえて言うことを聞きつつ、フランス語がわからないフリをして何かと助けてもらったりと、人に頼りやすいポジションにうまく応用しているのだそうです!

若く見られるから、素直に頼むと周りの人があれこれ教えてくれたり、世話を焼いてくれるのだとか。賢い……!!

マナさんが教えてくれたのは、危ない目に逢いそうになったときの処世術。

曰く、「危ない人に狙われたら、目をそらさずに睨むのが効く」と!

目と目を合わせるのは、動物の世界では威嚇の意味だそうで、人間もそれは一緒らしい。

目をそらしたり逃げたりすると、余計追いかけてくるよ、とのこと。なるほど……。

彼女も南米の治安の悪い地域では、ピストルを持った人に遭遇したそうですが(汗)、あの手この手で切り抜けてきたそうです。たくましすぎる。

いざとなったら、参考にしようと思いました(笑)。

おわりに

(いただいたエディブルフラワーとあった野菜を使って、今日サラダを作った。

こうやって誰かからの贈り物が食卓に加わってくれるのは、とても豊かさを感じる❤︎ 幸せ!)

思考を抜きにした、心の底から湧き上がるピュアな望み。

それを何より大切にし、楽しそうに現実化していく彼女達の姿を目の当たりにして、自分らしく生きるためのインスピレーションをたくさんいただきました!

個性豊かな3人のクリエイターが語ってくれた、それぞれの人生道。

それと同じように、私にも自分だけのオリジナルの道があるのでしょう。

ピンときたエッセンスは取り入れつつも、憧れの人の道をそのままなぞるのではなく、自分の道をまっすぐに追求していきたい!

生き方そのものが眩しいほどに美しい彼女達を見ていて、感じたことがあります。

個性は、頑張って出そうとしなくていい。

どこにいたって、ただ、そのままの自分を生きる。

それだけで結果的に、死ぬほど個性的になるのだなと、心から思います。

ニジノ絵本屋 お店情報

住所:〒152-0032 東京都目黒区平町1丁目23−20
電話:03-6421-3105
営業時間:12:00〜18:00
休業日:火・水
公式ページ:https://nijinoehonya.com/

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