【コンテスト応募作品】私がちらし寿司の絵を描き上げるまでの、どうしようもない制作秘話。

ART

先日また、世界中のイラストレーターの作品が掲載されているサイトThey draw and cook主催のコンテストに作品を応募してみた。

今回のテーマは、Edible Flowers。食べられるお花!

エディブル・フラワーは最近興味のある分野で、自分でも色々育ててみたいなと思っていたところ。

すでに応募されている作品は、サラダやケーキなどが多い印象だったので、私は日本人だし和食で勝負しようと思った。

日本のお寿司×色とりどりのエディブルフラワーとか、想像しただけでも可愛すぎる。

やっぱりお花を効果的に使うには、華やかなちらし寿司が映えるよね! ということで、題材は割とあっさり決定。

けれど、そこから描き始めるまでのスイッチがなかなか入らず、大変だった。

この記事は、ただその一部始終を書いたものである。

ちらし寿司の絵が完成するまでの、どうしようもない制作秘話。

あまりにもやる気が出なさ過ぎて、もがく。

ところがいざ描こうとするも、一向にやる気が湧いてこない。

とりあえず気分を盛り上げるために、ちらし寿司を作ってみた。

うずまきビーツと菜の花は、我が家の畑のもの!

野菜の色が美し過ぎて、ちょっと描く気になった。

▼色々アレンジしちゃったけど、大まかな作り方はこちら。

でも、いまいち構図が浮かばない。

何かヒントになるかもと、都内に出たついでに代々木公園にお花見に行ってみた。

まだ五分咲きぐらいだったけれど、綺麗だった〜!

このときはまだたくさんの人で賑わっていて、後々外出自粛要請が出るなんて夢にも思わなかった。

いちご大福

どら焼き

桜餅

などを、桜を眺めながら食し、とても幸せな気持ちになった。

全部、和のかし巡さんのもの! ここの和菓子は、ノンシュガーで甘さ控えめで、本当に美味しい。

他のお店(名前失念)で買った、いちごサンドも。

嬉しそうな顔し過ぎだし、いくらなんでも、食べ過ぎだと思う。

最近は引きこもっているのでますます太ってきた気がするけど、無理もない。

やっと、絵を描き始める。

あの手この手を尽くしてやっと、イメージが浮かんできて、絵を描く気になった。

ほんと私は、スイッチが入るのがいつもギリギリ過ぎて困る。

この時点で、締め切りまであと10時間ぐらいしかなかった!

今回もニューヨーク時間の0時が締め切りなので、それに合わせてカウントダウンしてくれる時計をパソコン上に表示させて、チラチラ確認しながらの作業となった。

しかし、焦ってもいいものが描ける訳がない。

案の定、一枚目は失敗した。上の絵が、それ。

筆ペンで輪郭を書いて色を塗ったら、にじむという誤算!

ヘタクソすぎて凹む。

そこそこ高級な紙を使っているので、余計凹む。笑

2枚目、今度はペンで輪郭は描かないことにした。

しかし桜の枝まで描いて、ものすごい睡魔に襲われた。

でも、締め切りが迫っている。応募を諦めて寝てもよかったのだけど、あとで後悔しそうなので頑張ることに。

眠いと、やたら変なアイディアばかり浮かんでくる。

河童が陸を歩いているのはやっぱり変だしなんか間抜けだな、ということで川から顔だけ出してもらうことに。

桜を散らす作業が楽しかった!

6時間ぐらいかけてやっと描き上がったので、写真を撮ってみる。

するとあろうことか、川の右側の岸を塗り忘れていたことに気付いた。オーマイガー!

肉眼で確認しても気付けないことが、写真だと気付くということが、往々にしてある。不思議だ……。河童に惑わされていたのかもしれない。

もうこの時点で、すでに夜が明けていた。

また徹夜してしまった、と思いつつも朝日を浴びながらコンビニに行きスキャンして、家に帰ってデータを取り込んでみる。

毎回、この瞬間が一番好き!

紙で見るのと、データで見るのとはまた全然違うのだ!

神がかった絵が完成していて、驚く。

で、出来上がった絵がこちら。

なんと美しい〜!

まさに、日本の桃源郷を彷彿とさせる光景が、広がっている……。

桜舞い散る春の野に、ちらし寿司、うさぎ、ウグイス、河童、桃。聞こえるのは川のせせらぎと、ウグイスの美しい歌声だけ。

この圧倒的世界観!

思わず「日本って、なんて美しい国なんだろう……」と感動してしまった。

私は大学時代国文学専攻で、万葉集や源氏物語が大好きだ。眼に浮かぶ情景すべてが、どこまでも美しい。

それを、絵を通して私なりに表現できた気がして、とても嬉しい!

いつも絵を描くと必ず、イメージした以上のものが出来上がる。自分でも、完成したものを見て驚かざるを得ない。

描いている間は無心だし、休憩しようという気持ちも起こらないし、時間を忘れる。

天からもらった自分の才能に感謝しつつ、自画自賛しまくる!

ただ、そのスイッチが入るまでに時間がかかり過ぎだし、色々しないとやる気出ないし、燃費悪過ぎだなと思うけれども。笑

やる気が出ないときは、もう一生絵なんて描けないんじゃないかと本気で思う。

ああ、あれが私の最後の作品になったんだな、とかしみじみ思って落ち込んだりする。w

でも調子のいいときは、そんな気分のムラが激しいところも画家っぽくていいよね! と思う。

ウケる。笑

絵の中の、その後のストーリー。

実はこの絵には続きがあって、絵巻物のようにそれを描き足したいぐらいである。

けれど、いかんせん私は飽きっぽいので、どうしても似たような絵を描く気になれない。笑

でもそんなことを言うと気になる人もいると思うので、一応続きを書いておくと、

この後、川の流れに乗って桃が流れてきて、河童の頭にぶつかってしまいました。

この河童はただでさえ反射神経が鈍いタイプだったのですが、このときは川岸に置いてある、美味しそうなちらし寿司に気を取られていたのです。

桃がぶつかった衝撃で、河童は自慢の皿が割れてしまい、パニックになりました。

でも、パニックで大泣きしていた人がもう一人いました。

ぶつかった勢いで桃が割れてしまい、予定より早く生まれてしまった桃太郎です。

かわいそうに桃太郎は、人間で言ったらまだ未熟児でした。

そのため、河童は自分の皿の修理そっちのけで、桃太郎の面倒を見なくてはなりませんでした。

桃太郎はせっかく桃から生まれたのに、安易な発想しかできない河童により、「河童太郎」と名付けられました。

河童の甲斐甲斐しい育児のおかげで、河童太郎はすくすく育ちましたが、なにぶん河童に育てられたので、キュウリしか食べられない偏食になってしまいました。

でも、ちょうど河童の住処のそばに立派なキュウリの畑があり、河童に数本盗まれても気付かないようなどんくさい農家でしたので、特に問題はありませんでした。

肝心の河童のお皿ですが、たまたま人間がお花見して置き忘れて行ったお茶わんを発見し、「これは、お皿よりも水がたっぷり入るしちょうどいい!」ということで、お皿の代わりに茶わんを頭に乗せて生活することにしたそうです。

河童は、新しいお皿(茶わんですが)をとても気に入っているみたい。めでたしめでたし。

ちらし寿司を英語で紹介する文を書いていたら、時間がギリギリになってしまった。

次はいい加減、余裕を持って応募したい。と、毎回言っている気がする。笑

Chirashi zushi is Japanese type of sushi.
“Chirashi” means scattered, and it looks like a rice salad.
It is served with many toppings, such as Lotus root, spring wild plants, edible flowers and so on.
Chirashi zushi is not only delicious, but also looks gorgeous and is perfect for celebrations.
We often take it to picnics to enjoy watching cherry blossoms in spring called “Ohanami”, or eat it on special days.

▼ちなみに絵の掲載ページはこちら。

https://www.theydrawandcook.com/illustrations/15826-chirashi-zushi-with-edible-flowers

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